昇雲 Shoun
明治3年<1870>―昭和40年<1965> 高知県出身
日本画家、報道画家、浮世絵師。名は茂三郎。号は昇雲、松谷、小斎など。古物商を営む家に生まれ、幼い頃から絵を描くことを好んだ。1984年東陽堂発行の雑誌『風俗画報』に「土佐国早乙女図」を投稿すると、編集長・山下重民の目に留まり、東陽堂の絵画部員となる。以後『風俗画報』の報道画家として活躍。毎号のように表紙や挿絵を描き、災害の現地を取材したり、現場に赴かないとはいえ悲惨な戦場を克明に描くこともあった。一方で文展や帝展などの展覧会にも数多く出品し、日本画家としても精力的に活動した。戦争がはじまると福井県福井市、ついで越前市に疎開し、地元の人々の求めに応じて絵を描いては野菜などをもらって暮らしていたという。代表作に「いま姿」、「子供あそび」シリーズなど。