斎藤真一 Saito Shinichi
大正11年<1922>-平成6年<1994> 岡山県出身
画家、エッセイスト。東京美術学校師範科を卒業後、教鞭をとる傍ら制作を続け、1959年にフランスへ留学。滞欧中に親交を深めた藤田嗣治から”日本に帰ったら秋田や東北がいいから一生懸命に描きなさい”と助言を受け、帰国後に津軽へと足を運びます。そこで知った盲目の旅芸人、瞽女(ごぜ)に強く惹かれた斎藤は、失われゆく日本の文化であった瞽女たちの喜びや哀しみ、孤独を長きに渡って描き続けました。その独特な造形と朱を用いた色彩、繊細な筆致の作品は高い評価を受けています。また、映画や舞台化もされた吉原の遊女をテーマにした作品や、エッセイ、画文集などの著作も多くあり、郷愁を求めて制作した「昭和ロマン」や「哀愁の街角」シリーズが未完のまま、72歳で逝去しました。
1959年 フランス留学。藤田嗣治と親交を結ぶ。
1960年 帰国。文藝春秋画廊にて帰国後初個展
1961年 盲目の旅芸人瞽女について知る。
1964年 高田の杉本キクエ瞽女を初訪問。
1971年 「星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)」で安井賞佳作賞受賞。
1973年 『瞽女=盲目の旅芸人』でエッセイストクラブ賞受賞。『越後瞽女日記』でADC賞受賞。
1983年 『一寸昔』、『風雨雪』、ミニアチュール銅版画集『走馬灯』刊行。
1985年 『紙草紙 吉原炎上』、『明治吉原細見記』刊行。