大野麥風 Ono Bakufu
明治21年<1888>-昭和51年<1976> 東京都出身
画家。はじめは長原孝太郎より油絵を学び光風会や白馬会などに出品していましたが日本画に転向。1919年の帝展には日本画部門で「桑畑」を出品、入選しました。その後関東大震災を機に淡路島への転居を経て兵庫県西宮市に移ります。サイパン、琉球など南洋への写生旅行や釣趣味の展覧会に釣の絵と釣具を並べて出品するなど、この時期から趣味と創作が一致し始めました。そして1937年様々な文化人の協力を得て、西宮書院から日本各地の魚の生態を鮮やかな色彩で描写した木版画集『大日本魚類画集』を刊行。原画を担当し以後麥風の代表作となりました。原画を描くにあたり、水族館では満足できず和歌浦沖で潜水艇に乗り、魚の美しさに魅せられたといいます。戦後は地元の展覧会で日本画を出品、亡くなる前年まで地元を中心に制作をつづけました。