吉田博 Yoshida Hiroshi
明治9年<1876>-昭和25年<1950> 福岡県出身
川瀬巴水、伊東深水らと並ぶ、新版画を代表する版画家、洋画家。欧米を巡り、浮世絵を始めとする日本の木版画に対する評価の高さを実感し、洋画の技法を取り入れた新しい木版画制作の意欲に溢れていた頃、版元・渡邊庄三郎と出会いました。そして1921年に、渡邊の下で7点の作品を発表し、版画家の道を歩み始めます。震災後の1925年、欧米旅行で描いた油彩画をもとに、自身の工房で独自の木版画制作を開始。その工房から、グランドキャニオンやマッターホルン、ヴェネチア、エジプトなどに取材した傑作が生み出され、以降日本各地の風景画や東南アジアを描いた作品が次々に制作されました。その本格的な洋画からくる確かな描写力と、伝統的な木版技術を融合させた鋭敏で繊細、そして詩情豊かな作品は高い評価を得ており、特に色彩に対する評価が高く、その微妙な陰影や透明感を表現するため、時には九十六度摺りという驚くべき手間がかけられています。妻のふじを(藤遠)と長男の遠志、次男の穂高、その妻の千鶴子、その娘の亜世美が揃って芸術家なため、“吉田ファミリー”として知られています。
※吉田博の没後70年を記念して、2021年3月1日(月)から4月3日(土)までの日程で、 吉田博 -ふじを 遠志 穂高 千鶴子 司- 展 を当店ギャラリーで開催致します。
詳細はコチラ→【展覧会のお知らせ】没後70年 吉田博 -ふじを 遠志 穂高 千鶴子 司- 展