パウル・ヴンダーリッヒ Paul Wunderlich
1927-2010 ドイツ・エーベルスヴァルデ出身
画家、彫刻家、グラフィックアーティスト。第2次大戦中兵役についた後、1947年にハンブルクの美術学校に入学。1949年在学中に初めてリトグラフを制作し、同年リューベックで個展を開催した。1951年から1960年までハンブルク美術大学でリトグラフとエッチングの講師を務め、その傍らに出品したマンハイム青年版画展(1960)でドイツ青年芸術賞を受賞し注目される。1960年から63年までパリで制作活動を行い、ハンブルクへと戻り大学教授として後進の指導を行う(68年まで)。1964年カッセルで開催されたドクメンタ3(現代美術の大型グループ展)に出品。写真家である妻のカリンが撮影した裸婦写真を素材として用いたリトグラフや絵画、サルバドール・ダリの影響を受けたブロンズ像や彫像作品を制作し、醸し出されるエロチシズムをシュルレアリスムやドイツ表現主義の伝統と結びつけながら精密な作風で表現してみせた。1968年東京国際版画ビエンナーレ展で神奈川県立近代美術館賞を受賞し、日本でも広く知られている。