浮世絵師・三代歌川豊国、井上安治(探景)の揃物と、明治に発行された葛飾北斎の絵手本が入荷しました。
▽三代歌川豊国「役者見立東海道五十三駅」
”役者東海道”の通称で知られる三代歌川豊国による大判錦絵の揃い物で、嘉永5年(1852)に刊行されるや、好評を博し、当初の正編55図から、続編、さらに間の宿などが出され、全体数は140図にのぼる。
初代広重の「東海道五十三次 保永堂版」に描かれた各宿場を転用した風景を背景に、役者を描く構図になっています。
この作品は、東海道の各宿場名に、芝居に登場する役柄を見立て、さらに役者を見立てる二段階の見立てになっており、当時は地名と役者両方の見立を解いて楽しまれました。
役者見立東海道五十三駅 78枚+東海道五十三駅名画之書分1枚 / 豊国三代
▽井上安治「東京真画名所図解」
26歳の若さで世を去った夭折の浮世絵師・井上安治(探景)の全134点からなる小判錦絵のシリーズ。
明治14年(1881)頃から、安治の亡くなる明治22年(1889)と、その短い作画期を通して描かれた代表作で、刊行当時は、明治になり全国から上京してきた人々から、文明開化東京を伝えるものとして人気を集めました。
元々は師である小林清親の”光線画”を継ぐ形で出されたもので、100点を越える東京風景を短期間で仕上げる必要性からか、清親の構図と同じ、もしくはそれに倣ったものが半数近く見られます。
しっとりと情緒的な清親に対して、安治の作はより写実的で、西洋絵画の影響が強く見られます。
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